こっぱずかし

学食は混雑している。
御飯を一緒に食べる仲間は7人、多くなった。
席が足らず、後から来た1人が離れてしまった。
何も語らず黙々と食べている後ろ姿を見てた。
早々に退席。
うちらはのんびり過ごして移動、談話をしてた。
そしたら言われたよ。
「さっきみたいな席はやめて」
少し考えてみれば気付きそうな、簡単なこと。
その状況を認識していたのに放っておいた事実。
静まり返った、空気の重さが心の重さ。
凡ミス、痛んだ。


「おれの優しさは偽り」
そんなような台詞を言ったって聞いたことがある。
相手がどう感じるか、察して言葉を発する、
でもそれは相手からどう思われ、どう見られるか、
自分の側から見た考え方ともとれる。
違う解釈かもしれないけれど、そう言った彼は、
慕われてた、正直、面白くなかった。
と同時に、深さを知り、適わないと悟らされた。
人と関わる、接するってこういうことなんだって。


「がんばって」
そう言うことが、今までやっていなかったようだとか、
上からモノを言ってるようだとか、そうも受け取れる、
だから言わない、と。
言葉だけの意味を伝えるならそうもなりえるんだろう。
だけどそうじゃない、色んな思いを込めて言うもの。
それゆえに上手く伝わらなかったり、判らなかったりする。
取って代わる言葉が無いのなら、
それでも言うしかない、伝えられる距離なんだから。


どんな形であれ、優しくあろうとすることが、
そう言ってくれる人に対する感謝の気持ち。
気付けるようでありたい、気付かれないようでありたい。